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岡山大学大学院 河井まりこ
(平成21年度 受賞者)
この度は平成21年度教育研究に係る助成を賜り、誠にありがとうございます。わが国をはじめとして、高齢化社会における生活の質の向上は非常に重要な課題となっています。一方、ヒトの基本的生理的欲求の1つである食欲は、生活の質を左右し、歯の保有率はその食欲に大きな影響を及ぼします。また、咀嚼率の低下は認知症との関連性も示唆されていることから、自分の歯をいかに維持するかは生活の質を左右する非常に重要な因子であるといえます。
歯は歯槽骨といわれる骨に埋まっていますが、歯周病などで歯槽骨が破壊されると歯が脱落してしまいます。歯周病の主な治療法は現在のところ、減少してしまった歯槽骨の積極的な再生治療ではなく、歯槽骨の減少進行を止めるという対症療法が主なものです。そこで、私たちは歯槽骨の積極的な再生法を新たな歯周病治療法として確立したいと考えています。歯槽骨の再生法として、私たちは骨形成因子というサイトカインを遺伝子の状態で歯周組織にデリバリーし、未分化間葉系細胞の骨関連細胞への分化を促進させます。歯周組織には歯根膜や骨膜といった組織が存在し、その膜内には未分化間葉系細胞が存在するといわれています。このような分化が決定していない細胞を、骨関連細胞へ誘導することで歯槽骨の再生を促すわけです。この方法では、未分化間葉系細胞を外部からの遺伝子導入により分化を誘導するので、この過程のなかで細胞の癌化などがないかどうかなど、安全性を確認する必要があります。今回、歯周組織への遺伝子導入により、どのような細胞が出現し、これらの細胞がどのような動態を示すかを明らかにし、私たちの歯槽骨再生法の詳細なメカニズムの解明と安全性の確立を行い、新たな歯周病治療法として実現させたいと考えています。これらの研究に対して、貴財団の研究助成を賜り、私たちの研究を行えることを感謝し、ここに御礼申し上げます。誠にありがとうございました。
[平成21年9月7日掲載]
平成24年度
受賞部門 | 氏名 | 所属 |
国際 | 小田桐 早苗 | 川崎医療福祉大学 |
教育 | 原 裕一 | 川崎医科大学 |
教育 | 長洲 一 | 川崎医科大学 |
教育 | 大植 祥弘 | 川崎医科大学 |
教育 | 李 順姫 | 川崎医科大学 |
教育 | 溝手 雄 | 岡山大学大学院 |
教育 | 藤野 雅広 | 川崎医療福祉大学 |
平成23年度
受賞部門 | 氏名 | 所属 |
教育 | 西村 広健 | 川崎医科大学 |
国際 | 清蔭 恵美 | 川崎医科大学 |
教育 | 山内 明 | 川崎医科大学 |
教育 | 俵本 和仁 | 川崎医科大学 |
地域 | 正木 久男 | 川崎医科大学 |
教育 | 青木 淳哉 | 川崎医科大学 |
地域 | 下屋 浩一郎 | 川崎医科大学 |
平成22年度
受賞部門 | 氏名 | 所属 |
教育 | 三好 智子 | 岡山大学病院 |
教育 | 小野 淳一 | 川崎医科大学 |
教育 | 岡本 威明 | 川崎医科大学 |
教育 | 矢作 綾野 | 川崎医科大学 |
教育 | 橋本 美香 | 川崎医療短期大学 |
平成21年度
受賞部門 | 氏名 | 所属 |
教育 | 脇本 敏裕 | 川崎医療福祉大学 |
教育 | 熊谷 直子 | 川崎医科大学 |
教育 | 三上 史哲 | 川崎医療福祉大学 |
教育 | 河井 まりこ | 岡山大学大学院 |
平成20年度
受賞部門 | 氏名 | 所属 |
教育 | 横山 光彦 | 川崎医科大学 |
教育 | 芝﨑 謙作 | 川崎医科大学 |
教育 | 田中 俊昭 | 川崎医科大学附属川崎病院 |
教育 | 平田 あずみ | 岡山大学大学院 |
平成19年度
受賞部門 | 氏名 | 所属 |
国際 | 片岡 則之 | 川崎医療福祉大学 |
教育 | 茅野 功 | 川崎医療福祉大学 |
教育 | 前田 恵 | 川崎医科大学 |
教育 | 永坂 岳司 | 岡山大学大学院 |
平成18年度
受賞部門 | 氏名 | 所属 |
教育 | 宮地 禎幸 | 川崎医科大学 |
教育 | 眞部 紀明 | 川崎医科大学 |
教育 | 平林 葉子 | 川崎医科大学大学院 |
教育 | 前島 伸一郎 | 川崎医科大学附属川崎病院 |
平成17年度
受賞部門 | 氏名 | 所属 |
教育 | 渡辺 洋子 | 川崎医科大学 |
教育 | 寳迫 睦美 | 岡山大学大学院 |
教育 | 美藤 純弘 | 岡山大学大学院 |
教育 | 稲垣 幸代 | 岡山大学大学院 |
平成16年度
受賞部門 | 氏名 | 所属 |
教育 | 橋本 謙 | 川崎医科大学 |
国際 | 辻 修平 | 川崎医科大学 |
平成15年度
受賞部門 | 氏名 | 所属 |
教育 | 三浦 孝仁 | 岡山大学 |