受賞者寄稿文

川崎医科大学附属病院 平田早苗
（平成30年度　受賞者）

患者安全のためのチーム医療を目指して

　このたびは、平成30年度公益財団法人川崎医学・医療福祉学振興会地域連携・交流事業助成を賜り、誠にありがとうございました。
　ご支援により平成30年10月12日に医療法人社団尚誠会 笑顔のおうちクリニック松戸の理事長であり全日本患者安全組織文化学習支援財団の代表理事を務められる松本尚浩先生と岐阜聖徳学園大学看護学部の岡本華枝先生をお迎えし、平成30年度看護セミナーを開催することが出来ました。川崎医科大学附属病院と川崎医科大学総合医療センターをLIVE中継し、学園内外から554名と多くの方に参加いただいています。
　お二人の先生方からは失敗や欠点の修正よりも自身の強みを見つけながら発展していくための学習支援方法として看護実践を振り返り方法（デブリーフィング、フィードバック）についてご講演いただきました。 その学習支援こそが患者安全のための医療チームの構築になることを教えていただき、そして本セミナー終了後に実際に看護現場で責めない・認め合う振り返りの実践が始まっています。また、参加いただいた他施設の方からも好評をいただきました。
　現在、講師の先生方にオンラインで現場の取り組みや成果について報告し、さらなる指導や支援をいただいています。まずはカークパトリックの４段階評価法のレベル３である行動変容が起きることが目標です。他（多）職種間でのコミュニケーションがスムーズになり、医療チーム全体のパフォーマンスが向上していくことです。それが患者安全や患者満足度に結び付き、後輩や学生への学習支援スキルが上がり、看護の質や仕事への満足度の向上が期待されます。患者、学生、職員自身から選ばれる病院にすることが出来ればカークパトリックの言うところのレベル４に到達します。最終的にはこのレベル4につながるように、今回の看護セミナーでの学びをしっかりと根付かせたいと思います。
　今回ご支援いただき、学内外の多くの看護師にとって有益な学びの場を作ることが出来ましたことを深く感謝いたします。

［令和元年6月3日掲載］