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川崎医科大学大学院 中村 博貴
(令和6年度 受賞者)
この度は令和6年度公益財団法人川崎医学・医療福祉学振興会教育研究助成を賜り、選考委員会の先生方および関係者の皆様方に心より感謝申し上げます。
近年、新しいIVR(Interventional Radiology)を用いた治療として経カテーテル血管塞栓術(運動器カテーテル治療)による慢性関節炎に伴う難治性疼痛のコントロールが注目されている。本来抗菌薬であるImipenem/Cilastatin (IPM/CS)を用いて慢性炎症に伴う新生血管を経カテーテル的に塞栓することで疼痛除去効果を発揮することが証明されている。しかし、本治療は保険診療として行うことができないのが現状である。
そこでIPM/CSの塞栓特性を解明し、既存の塞栓物質との比較や新たな塞栓物質開発の基礎データ収集を目的とした。IPM/CSの粒子径は40µm以下と非常に小さく、通常のX線では血管内動態の評価は困難。そこで30µm程度の微細な血管を描出可能とするSPring-8(大型放射光施設)の単色X線を用いることにより、塞栓物質の血管内動態、塞栓血管径、塞栓時間の評価を可能としている。炎症モデルを作成し、正常部位と炎症部位での塞栓物質の挙動を観察。IPM/CS以外にも既存の塞栓物質である球状塞栓物質や液体塞栓物質の血管内動態も観察できた。しかし症例数が少なく再現性が乏しいため、今後症例の蓄積が望まれる。現時点の結果として、IPM/CSは炎症血管に特異的な塞栓効果を持つことが判明している。IPM/CSにとって代わる既存の塞栓物質の血管内動態における比較検討を継続していく。今後IVRの発展、本治療の確立に貢献していきたいと考えています。
末筆ではございますが、本研究を助成くださいました公益財団法人川崎医学・医療福祉学振興会の皆様方に厚く御礼申し上げますとともに、益々のご発展を心よりお祈り申し上げます。
[令和7年4月1日掲載]
平成24年度
受賞部門 | 氏名 | 所属 |
国際 | 小田桐 早苗 | 川崎医療福祉大学 |
教育 | 原 裕一 | 川崎医科大学 |
教育 | 長洲 一 | 川崎医科大学 |
教育 | 大植 祥弘 | 川崎医科大学 |
教育 | 李 順姫 | 川崎医科大学 |
教育 | 溝手 雄 | 岡山大学大学院 |
教育 | 藤野 雅広 | 川崎医療福祉大学 |
平成23年度
受賞部門 | 氏名 | 所属 |
教育 | 西村 広健 | 川崎医科大学 |
国際 | 清蔭 恵美 | 川崎医科大学 |
教育 | 山内 明 | 川崎医科大学 |
教育 | 俵本 和仁 | 川崎医科大学 |
地域 | 正木 久男 | 川崎医科大学 |
教育 | 青木 淳哉 | 川崎医科大学 |
地域 | 下屋 浩一郎 | 川崎医科大学 |
平成22年度
受賞部門 | 氏名 | 所属 |
教育 | 三好 智子 | 岡山大学病院 |
教育 | 小野 淳一 | 川崎医科大学 |
教育 | 岡本 威明 | 川崎医科大学 |
教育 | 矢作 綾野 | 川崎医科大学 |
教育 | 橋本 美香 | 川崎医療短期大学 |
平成21年度
受賞部門 | 氏名 | 所属 |
教育 | 脇本 敏裕 | 川崎医療福祉大学 |
教育 | 熊谷 直子 | 川崎医科大学 |
教育 | 三上 史哲 | 川崎医療福祉大学 |
教育 | 河井 まりこ | 岡山大学大学院 |
平成20年度
受賞部門 | 氏名 | 所属 |
教育 | 横山 光彦 | 川崎医科大学 |
教育 | 芝﨑 謙作 | 川崎医科大学 |
教育 | 田中 俊昭 | 川崎医科大学附属川崎病院 |
教育 | 平田 あずみ | 岡山大学大学院 |
平成19年度
受賞部門 | 氏名 | 所属 |
国際 | 片岡 則之 | 川崎医療福祉大学 |
教育 | 茅野 功 | 川崎医療福祉大学 |
教育 | 前田 恵 | 川崎医科大学 |
教育 | 永坂 岳司 | 岡山大学大学院 |
平成18年度
受賞部門 | 氏名 | 所属 |
教育 | 宮地 禎幸 | 川崎医科大学 |
教育 | 眞部 紀明 | 川崎医科大学 |
教育 | 平林 葉子 | 川崎医科大学大学院 |
教育 | 前島 伸一郎 | 川崎医科大学附属川崎病院 |
平成17年度
受賞部門 | 氏名 | 所属 |
教育 | 渡辺 洋子 | 川崎医科大学 |
教育 | 寳迫 睦美 | 岡山大学大学院 |
教育 | 美藤 純弘 | 岡山大学大学院 |
教育 | 稲垣 幸代 | 岡山大学大学院 |
平成16年度
受賞部門 | 氏名 | 所属 |
教育 | 橋本 謙 | 川崎医科大学 |
国際 | 辻 修平 | 川崎医科大学 |
平成15年度
受賞部門 | 氏名 | 所属 |
教育 | 三浦 孝仁 | 岡山大学 |