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川崎医療福祉大学 山形 高司
(令和2年度 受賞者)
この度は、令和2年度公益財団法人川崎医学・医療福祉学振興会教育研究助成を賜り、選考委員の先生方および関係者の皆様に厚く御礼申し上げます。
本研究テーマである等尺性筋収縮は、握力を発揮している時のような筋の長さが変わらない運動方法です。1950年頃、筋力増強のための運動方法として等尺性筋収縮を用いた筋力トレーニングについて盛んに研究が進み、たった数秒間の筋収縮によって筋力が高まる画期的な運動方法として注目を集めました。しかしながら、この運動は、運動中に息を止めてしまうことによる血圧上昇が懸念されることから、健康増進を目的とした運動方法としては勧められないと運動指導のテキストなどで記載されています。私も健康運動指導士の資格取得を目指して学んだ中でそのような認識を持っておりました。一方、約30年前に等尺性筋収縮を用いた筋力トレーニングがむしろ安静時の血圧を降下させるとした報告が示され、その後エビデンスが蓄積されてきています。このように健康・体力づくりに関する運動は、分かっているようで未解明の部分が多く、昨日の常識が覆ることがあります。私は、この等尺性筋収縮を用いた筋力トレーニングに大変興味を持ち、約5年前から検討を始め、実際に自らのデータを通して降圧効果を確認すると同時に発展性を感じました。それは、降圧メカニズムの候補として、副交感神経系活動の亢進が期待されていたからです。自律神経系活動は健康を支える重要な要素であり、交感神経系活動の亢進が様々な疾患に関連しており、逆に副交感神経系活動の亢進による健康増進効果が示されています。
本研究では、等尺性筋収縮を用いた筋力トレーニングによる副交感神経系活動の亢進が皮膚の血液循環の改善を介して発汗機能を向上させると仮説立てし、検討を行いました。コロナ禍において、地域高齢者の方を対象とした研究遂行は困難を極め、仮説の検証まで到達することは出来ませんでしたが、等尺性筋収縮を用いた筋力トレーニングの新たな健康増進効果についての事例検討を通して、今後の研究へのヒントを得ることができました。
これからも等尺性筋収縮を用いた筋力トレーニングの健康づくりに対する可能性を探り、社会に貢献できる研究を進めてまいりたいと思います。
[令和4年4月1日掲載]
平成24年度
受賞部門 | 氏名 | 所属 |
国際 | 小田桐 早苗 | 川崎医療福祉大学 |
教育 | 原 裕一 | 川崎医科大学 |
教育 | 長洲 一 | 川崎医科大学 |
教育 | 大植 祥弘 | 川崎医科大学 |
教育 | 李 順姫 | 川崎医科大学 |
教育 | 溝手 雄 | 岡山大学大学院 |
教育 | 藤野 雅広 | 川崎医療福祉大学 |
平成23年度
受賞部門 | 氏名 | 所属 |
教育 | 西村 広健 | 川崎医科大学 |
国際 | 清蔭 恵美 | 川崎医科大学 |
教育 | 山内 明 | 川崎医科大学 |
教育 | 俵本 和仁 | 川崎医科大学 |
地域 | 正木 久男 | 川崎医科大学 |
教育 | 青木 淳哉 | 川崎医科大学 |
地域 | 下屋 浩一郎 | 川崎医科大学 |
平成22年度
受賞部門 | 氏名 | 所属 |
教育 | 三好 智子 | 岡山大学病院 |
教育 | 小野 淳一 | 川崎医科大学 |
教育 | 岡本 威明 | 川崎医科大学 |
教育 | 矢作 綾野 | 川崎医科大学 |
教育 | 橋本 美香 | 川崎医療短期大学 |
平成21年度
受賞部門 | 氏名 | 所属 |
教育 | 脇本 敏裕 | 川崎医療福祉大学 |
教育 | 熊谷 直子 | 川崎医科大学 |
教育 | 三上 史哲 | 川崎医療福祉大学 |
教育 | 河井 まりこ | 岡山大学大学院 |
平成20年度
受賞部門 | 氏名 | 所属 |
教育 | 横山 光彦 | 川崎医科大学 |
教育 | 芝﨑 謙作 | 川崎医科大学 |
教育 | 田中 俊昭 | 川崎医科大学附属川崎病院 |
教育 | 平田 あずみ | 岡山大学大学院 |
平成19年度
受賞部門 | 氏名 | 所属 |
国際 | 片岡 則之 | 川崎医療福祉大学 |
教育 | 茅野 功 | 川崎医療福祉大学 |
教育 | 前田 恵 | 川崎医科大学 |
教育 | 永坂 岳司 | 岡山大学大学院 |
平成18年度
受賞部門 | 氏名 | 所属 |
教育 | 宮地 禎幸 | 川崎医科大学 |
教育 | 眞部 紀明 | 川崎医科大学 |
教育 | 平林 葉子 | 川崎医科大学大学院 |
教育 | 前島 伸一郎 | 川崎医科大学附属川崎病院 |
平成17年度
受賞部門 | 氏名 | 所属 |
教育 | 渡辺 洋子 | 川崎医科大学 |
教育 | 寳迫 睦美 | 岡山大学大学院 |
教育 | 美藤 純弘 | 岡山大学大学院 |
教育 | 稲垣 幸代 | 岡山大学大学院 |
平成16年度
受賞部門 | 氏名 | 所属 |
教育 | 橋本 謙 | 川崎医科大学 |
国際 | 辻 修平 | 川崎医科大学 |
平成15年度
受賞部門 | 氏名 | 所属 |
教育 | 三浦 孝仁 | 岡山大学 |