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岡山大学 松本 悠司
(令和4年度 受賞者)
この度は令和4年度 川崎医学・医療福祉学振興会教育助成にご採択いただき、選考委員会の諸先生方および関係者の皆様方に深く感謝申し上げます。
私は現在岡山大学脳神経外科で悪性脳腫瘍における治療抵抗性の機序解明および新規治療法開発について研究を行っております。膠芽腫は原発性悪性脳腫瘍で最も頻度が高く、手術・放射線化学療法を駆使しても生存期間中央値2年未満と予後不良であり、従来の治療法では十分な治療効果が得られていません。近年注目されている免疫チェックポイント阻害薬(Immune checkpoint inhibitors, ICI)は様々な癌腫で有効性を示していますが、膠芽腫に対しては現時点で有効性を示すことが出来ておらず、原因の解明とその知見を基にした治療応用が望まれています。Programmed death-ligand 1 (PD-L1)は腫瘍細胞の細胞膜に発現して抗腫瘍免疫応答の中心を成すタンパク質で、ICIにおける標的分子の1つです。本研究ではこのPD-L1自身が抗腫瘍免疫応答に加えて膠芽腫の腫瘍細胞内シグナリングに対してどのような影響を及ぼすのか解明し、その知見を基にした膠芽腫に対するICIの治療効果改善を目的としております。
今回、貴財団からの助成により、RNAシークエンスなど用いてPD-L1が惹起する膠芽腫細胞内シグナリングを解析し、膠芽腫細胞の悪性化を惹起するメカニズムを同定することができました。この発見により膠芽腫のICIに対する治療抵抗性機序の解明や新規治療法構築に繋がることが期待され、今後より一層研究に邁進していく所存です。
最後になりましたが、これらの成果を得る機会を与えてくださいました貴財団の関係者の皆様方に厚く御礼申し上げるとともに、貴財団のますますの御発展を心より祈念しております。
[令和5年4月1日掲載]
平成24年度
受賞部門 | 氏名 | 所属 |
国際 | 小田桐 早苗 | 川崎医療福祉大学 |
教育 | 原 裕一 | 川崎医科大学 |
教育 | 長洲 一 | 川崎医科大学 |
教育 | 大植 祥弘 | 川崎医科大学 |
教育 | 李 順姫 | 川崎医科大学 |
教育 | 溝手 雄 | 岡山大学大学院 |
教育 | 藤野 雅広 | 川崎医療福祉大学 |
平成23年度
受賞部門 | 氏名 | 所属 |
教育 | 西村 広健 | 川崎医科大学 |
国際 | 清蔭 恵美 | 川崎医科大学 |
教育 | 山内 明 | 川崎医科大学 |
教育 | 俵本 和仁 | 川崎医科大学 |
地域 | 正木 久男 | 川崎医科大学 |
教育 | 青木 淳哉 | 川崎医科大学 |
地域 | 下屋 浩一郎 | 川崎医科大学 |
平成22年度
受賞部門 | 氏名 | 所属 |
教育 | 三好 智子 | 岡山大学病院 |
教育 | 小野 淳一 | 川崎医科大学 |
教育 | 岡本 威明 | 川崎医科大学 |
教育 | 矢作 綾野 | 川崎医科大学 |
教育 | 橋本 美香 | 川崎医療短期大学 |
平成21年度
受賞部門 | 氏名 | 所属 |
教育 | 脇本 敏裕 | 川崎医療福祉大学 |
教育 | 熊谷 直子 | 川崎医科大学 |
教育 | 三上 史哲 | 川崎医療福祉大学 |
教育 | 河井 まりこ | 岡山大学大学院 |
平成20年度
受賞部門 | 氏名 | 所属 |
教育 | 横山 光彦 | 川崎医科大学 |
教育 | 芝﨑 謙作 | 川崎医科大学 |
教育 | 田中 俊昭 | 川崎医科大学附属川崎病院 |
教育 | 平田 あずみ | 岡山大学大学院 |
平成19年度
受賞部門 | 氏名 | 所属 |
国際 | 片岡 則之 | 川崎医療福祉大学 |
教育 | 茅野 功 | 川崎医療福祉大学 |
教育 | 前田 恵 | 川崎医科大学 |
教育 | 永坂 岳司 | 岡山大学大学院 |
平成18年度
受賞部門 | 氏名 | 所属 |
教育 | 宮地 禎幸 | 川崎医科大学 |
教育 | 眞部 紀明 | 川崎医科大学 |
教育 | 平林 葉子 | 川崎医科大学大学院 |
教育 | 前島 伸一郎 | 川崎医科大学附属川崎病院 |
平成17年度
受賞部門 | 氏名 | 所属 |
教育 | 渡辺 洋子 | 川崎医科大学 |
教育 | 寳迫 睦美 | 岡山大学大学院 |
教育 | 美藤 純弘 | 岡山大学大学院 |
教育 | 稲垣 幸代 | 岡山大学大学院 |
平成16年度
受賞部門 | 氏名 | 所属 |
教育 | 橋本 謙 | 川崎医科大学 |
国際 | 辻 修平 | 川崎医科大学 |
平成15年度
受賞部門 | 氏名 | 所属 |
教育 | 三浦 孝仁 | 岡山大学 |