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川崎医科大学大学院 覺前 蕉
(令和5年度 受賞者)
この度は、公益財団法人川崎医学・医療福祉学振興会から教育研究助成を賜り、関係者および選考委員の皆様方に心より感謝申し上げます。
前立腺は生殖臓器であり、生命臓器ではなく、その癌は高齢者に多いことから、限局性前立腺癌の治療は外科的切除術や放射線治療という前立腺全体に対しての治療であり、癌の局在を考慮されることがなかった。近年、前立腺癌罹患数の増加にあいまって、過剰診断、過剰治療が問題になっており、治療されるべき「臨床的意義のある癌」の鑑別にMRIの有用性が注目されています。MRI画像で前立腺癌の局在がわかるようになったが、その局在を正確に評価した研究はほとんど行われていません。その理由として、摘出標本とMRI画像は基準軸が異なることが問題であると考えられたため。今回、病理標本作成時においてMRI画像を再現させる手法を開発する研究を行うこととなりました。
基礎的検討として前立腺MRIを複数回施行された100名の画像を用い、冠状断、矢状断における体軸に対する前立腺部尿道の角度を測定 (川崎医科大学・同附属病院倫理審査委員会:5957-00)。それにより、MRI像において体軸に対する前立腺の角度に大きな個体差があり、同一人物でも撮影ごとに大きく変化することが判明しました。つまり、摘出標本と同様にMRI画像も確固とした基準軸を有していないことが判明しました。そのため、基準軸を合致させる手法を開発すれば、摘出標本とMRI画像を一致させることが可能であると考えました。また、臨床検体を使用せずにMRI画像と同じ基準軸で標本作成するモデルとして野菜や果物などを前立腺と見立てたヒト前立腺癌ファントム作製中であり、至適なファントムを発見できれば、摘出標本を使うことなく実験することが可能となる予定である。
現在はヒト前立腺癌ファントムを作製し、そのMRI像から疑似前立腺癌の位置を的中させることができれば、この手法でMRI画像通りの標本作成の実現が可能になると考え研究を継続中であり、今後研究結果は論文として発表する予定としております。
末筆ながら、公益財団法人川崎医学・医療福祉学振興会の関係者の皆様方には、この場をお借りして厚く御礼申し上げるとともに、益々のご発展を心よりお祈り申し上げます。
[令和6年4月1日掲載]
平成24年度
受賞部門 | 氏名 | 所属 |
国際 | 小田桐 早苗 | 川崎医療福祉大学 |
教育 | 原 裕一 | 川崎医科大学 |
教育 | 長洲 一 | 川崎医科大学 |
教育 | 大植 祥弘 | 川崎医科大学 |
教育 | 李 順姫 | 川崎医科大学 |
教育 | 溝手 雄 | 岡山大学大学院 |
教育 | 藤野 雅広 | 川崎医療福祉大学 |
平成23年度
受賞部門 | 氏名 | 所属 |
教育 | 西村 広健 | 川崎医科大学 |
国際 | 清蔭 恵美 | 川崎医科大学 |
教育 | 山内 明 | 川崎医科大学 |
教育 | 俵本 和仁 | 川崎医科大学 |
地域 | 正木 久男 | 川崎医科大学 |
教育 | 青木 淳哉 | 川崎医科大学 |
地域 | 下屋 浩一郎 | 川崎医科大学 |
平成22年度
受賞部門 | 氏名 | 所属 |
教育 | 三好 智子 | 岡山大学病院 |
教育 | 小野 淳一 | 川崎医科大学 |
教育 | 岡本 威明 | 川崎医科大学 |
教育 | 矢作 綾野 | 川崎医科大学 |
教育 | 橋本 美香 | 川崎医療短期大学 |
平成21年度
受賞部門 | 氏名 | 所属 |
教育 | 脇本 敏裕 | 川崎医療福祉大学 |
教育 | 熊谷 直子 | 川崎医科大学 |
教育 | 三上 史哲 | 川崎医療福祉大学 |
教育 | 河井 まりこ | 岡山大学大学院 |
平成20年度
受賞部門 | 氏名 | 所属 |
教育 | 横山 光彦 | 川崎医科大学 |
教育 | 芝﨑 謙作 | 川崎医科大学 |
教育 | 田中 俊昭 | 川崎医科大学附属川崎病院 |
教育 | 平田 あずみ | 岡山大学大学院 |
平成19年度
受賞部門 | 氏名 | 所属 |
国際 | 片岡 則之 | 川崎医療福祉大学 |
教育 | 茅野 功 | 川崎医療福祉大学 |
教育 | 前田 恵 | 川崎医科大学 |
教育 | 永坂 岳司 | 岡山大学大学院 |
平成18年度
受賞部門 | 氏名 | 所属 |
教育 | 宮地 禎幸 | 川崎医科大学 |
教育 | 眞部 紀明 | 川崎医科大学 |
教育 | 平林 葉子 | 川崎医科大学大学院 |
教育 | 前島 伸一郎 | 川崎医科大学附属川崎病院 |
平成17年度
受賞部門 | 氏名 | 所属 |
教育 | 渡辺 洋子 | 川崎医科大学 |
教育 | 寳迫 睦美 | 岡山大学大学院 |
教育 | 美藤 純弘 | 岡山大学大学院 |
教育 | 稲垣 幸代 | 岡山大学大学院 |
平成16年度
受賞部門 | 氏名 | 所属 |
教育 | 橋本 謙 | 川崎医科大学 |
国際 | 辻 修平 | 川崎医科大学 |
平成15年度
受賞部門 | 氏名 | 所属 |
教育 | 三浦 孝仁 | 岡山大学 |