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重井医学研究所 古家野 孝行
(令和5年度 受賞者)
このたびは、令和5年度公益財団法人川崎医学・医療福祉学振興会教育研究助成を賜り、誠にありがとうございました。選考委員の先生方、関係の方々に厚く御礼申し上げます。
常染色体顕性多発性嚢胞腎(ADPKD)は、腎臓に嚢胞が形成され、肥大化を伴い機能が低下する疾患です。主にPKD1またはPKD2の遺伝子変異に起因し、最も頻度の高い遺伝性の腎疾患です。それぞれの遺伝子はポリシスチン(PC-1またはPC-2)をコードしています。PC-1は一次繊毛膜上で機械刺激のセンサーとして、PC-2はカチオンのチャネルとして機能する事が示唆されていますが、その分子基盤は明らかになっていません。ポリシスチンは、変異がADPKDの原因となるだけでなく、哺乳類の発生にも深く関わっており、生体内において重要な機能を持つ事が示されています。近年のタンパク質構造解析から、細胞膜外にTOPドメインと呼ばれる特徴的な構造をポリシスチンは有することが明らかにされました。この領域は、ポリシスチンの機能を理解する上で重要になることが予想されます。
一般に、ある分子の機能を解明する際、その分子特異的な抗体は研究ツールとして非常に有用です。しかしながら、ポリシスチンに対するそのような抗体はありません。これまで私達の研究所では、独自にモノクローナル抗体の作製法を開発し、発展させてきました。本研究助成を活用し、PC-1およびPC-2に対するモノクローナル抗体の作製に取り組み、複数の有用なモノクローナル抗体を取得することができました。今後、様々なサンプルに対する反応性を確かめ、応用していきたいと思っています。
最後になりましたが、公益財団法人川崎医学・医療福祉学振興会の益々のご発展を心よりお祈り申し上げます。
[令和6年4月1日掲載]
平成24年度
受賞部門 | 氏名 | 所属 |
国際 | 小田桐 早苗 | 川崎医療福祉大学 |
教育 | 原 裕一 | 川崎医科大学 |
教育 | 長洲 一 | 川崎医科大学 |
教育 | 大植 祥弘 | 川崎医科大学 |
教育 | 李 順姫 | 川崎医科大学 |
教育 | 溝手 雄 | 岡山大学大学院 |
教育 | 藤野 雅広 | 川崎医療福祉大学 |
平成23年度
受賞部門 | 氏名 | 所属 |
教育 | 西村 広健 | 川崎医科大学 |
国際 | 清蔭 恵美 | 川崎医科大学 |
教育 | 山内 明 | 川崎医科大学 |
教育 | 俵本 和仁 | 川崎医科大学 |
地域 | 正木 久男 | 川崎医科大学 |
教育 | 青木 淳哉 | 川崎医科大学 |
地域 | 下屋 浩一郎 | 川崎医科大学 |
平成22年度
受賞部門 | 氏名 | 所属 |
教育 | 三好 智子 | 岡山大学病院 |
教育 | 小野 淳一 | 川崎医科大学 |
教育 | 岡本 威明 | 川崎医科大学 |
教育 | 矢作 綾野 | 川崎医科大学 |
教育 | 橋本 美香 | 川崎医療短期大学 |
平成21年度
受賞部門 | 氏名 | 所属 |
教育 | 脇本 敏裕 | 川崎医療福祉大学 |
教育 | 熊谷 直子 | 川崎医科大学 |
教育 | 三上 史哲 | 川崎医療福祉大学 |
教育 | 河井 まりこ | 岡山大学大学院 |
平成20年度
受賞部門 | 氏名 | 所属 |
教育 | 横山 光彦 | 川崎医科大学 |
教育 | 芝﨑 謙作 | 川崎医科大学 |
教育 | 田中 俊昭 | 川崎医科大学附属川崎病院 |
教育 | 平田 あずみ | 岡山大学大学院 |
平成19年度
受賞部門 | 氏名 | 所属 |
国際 | 片岡 則之 | 川崎医療福祉大学 |
教育 | 茅野 功 | 川崎医療福祉大学 |
教育 | 前田 恵 | 川崎医科大学 |
教育 | 永坂 岳司 | 岡山大学大学院 |
平成18年度
受賞部門 | 氏名 | 所属 |
教育 | 宮地 禎幸 | 川崎医科大学 |
教育 | 眞部 紀明 | 川崎医科大学 |
教育 | 平林 葉子 | 川崎医科大学大学院 |
教育 | 前島 伸一郎 | 川崎医科大学附属川崎病院 |
平成17年度
受賞部門 | 氏名 | 所属 |
教育 | 渡辺 洋子 | 川崎医科大学 |
教育 | 寳迫 睦美 | 岡山大学大学院 |
教育 | 美藤 純弘 | 岡山大学大学院 |
教育 | 稲垣 幸代 | 岡山大学大学院 |
平成16年度
受賞部門 | 氏名 | 所属 |
教育 | 橋本 謙 | 川崎医科大学 |
国際 | 辻 修平 | 川崎医科大学 |
平成15年度
受賞部門 | 氏名 | 所属 |
教育 | 三浦 孝仁 | 岡山大学 |