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川崎医科大学附属病院 菅野 豊子
(令和6年度 受賞者)
この度は令和6年度川崎医学・医療福祉学振興会教育研究助成にご採択いただき、誠にありがとうございました。選考委員会の先生方および関係者の皆様、ご支援、ご指導いただきました全ての皆様に感謝申し上げます。
がんゲノムファイリング検査は、標準治療が終了した患者に対し実施され、得られた遺伝子情報が新たな治療につながる可能性もあり、今後も増加の一途をたどると予想されます。出検の際にDNA収量が足りないことで、標本の追加作製を行うと、結果が出るのが遅れ、患者への不利益となります。標本提出の段階で、DNA概量を知ることができれば、検査不能を回避したり、必要最小限の標本作製が可能となったり、可能な限りの速さをもって結果を得ることができると考え、今回、DNA概量を知るために、核酸染色を用い染色性に差が生じるのか。また、染色性の違いはDNA量と比例しているのかについて研究を行うこととしました。
基礎的検討として、脱灰操作によりDNAが断片化し質が低下するため、脱灰操作を行い、がん遺伝子検査に出検した症例の中から、無作為に4症例を抽出し、脱灰・非脱灰の各1ブロックずつを選び、核酸染色とDNA量の測定を行いました。(川崎医科大学・同附属病院倫理審査委員会:6638-00)
脱灰の有無により核酸染色の染色性は顕微鏡下での観察では差を認識することは難しく、輝度計測ソフトを用いて、腫瘍部と正常部の核の染色性を比較すると、正常部の方が濃く染まる結果となりました。当初、腫瘍部の方が濃く染まると想定していましたが、正常部の方が濃く染まっていた要因としては、核の大きさを考慮していなかったためと思われます。また、脱灰・非脱灰の腫瘍部の核の染色性を比較すると、脱灰を行っている方が濃く染まる結果となり、脱灰操作でのDNAの断片化は核酸染色の染色性で推定することは困難であり、染色強度のみからDNAの概量を推定することも難しいことがわかりました。染色を行った症例については、基礎データとしてDNA量を測定した結果、脱灰の有無によりDNA量に差が生じ、非脱灰ブロックのDNA量が多いという結果となり、染色性との関連性は証明できませんでした。測定条件を見直し、今後も引き続き研究課題に取り組みたいと思います。
最後になりましたが、貴重な機会を与えてくださいました貴財団の関係者の皆様方に、この場をお借りして厚く御礼申し上げるとともに、貴財団の益々の発展を心よりお祈り申し上げます。
[令和7年4月1日掲載]
平成24年度
受賞部門 | 氏名 | 所属 |
国際 | 小田桐 早苗 | 川崎医療福祉大学 |
教育 | 原 裕一 | 川崎医科大学 |
教育 | 長洲 一 | 川崎医科大学 |
教育 | 大植 祥弘 | 川崎医科大学 |
教育 | 李 順姫 | 川崎医科大学 |
教育 | 溝手 雄 | 岡山大学大学院 |
教育 | 藤野 雅広 | 川崎医療福祉大学 |
平成23年度
受賞部門 | 氏名 | 所属 |
教育 | 西村 広健 | 川崎医科大学 |
国際 | 清蔭 恵美 | 川崎医科大学 |
教育 | 山内 明 | 川崎医科大学 |
教育 | 俵本 和仁 | 川崎医科大学 |
地域 | 正木 久男 | 川崎医科大学 |
教育 | 青木 淳哉 | 川崎医科大学 |
地域 | 下屋 浩一郎 | 川崎医科大学 |
平成22年度
受賞部門 | 氏名 | 所属 |
教育 | 三好 智子 | 岡山大学病院 |
教育 | 小野 淳一 | 川崎医科大学 |
教育 | 岡本 威明 | 川崎医科大学 |
教育 | 矢作 綾野 | 川崎医科大学 |
教育 | 橋本 美香 | 川崎医療短期大学 |
平成21年度
受賞部門 | 氏名 | 所属 |
教育 | 脇本 敏裕 | 川崎医療福祉大学 |
教育 | 熊谷 直子 | 川崎医科大学 |
教育 | 三上 史哲 | 川崎医療福祉大学 |
教育 | 河井 まりこ | 岡山大学大学院 |
平成20年度
受賞部門 | 氏名 | 所属 |
教育 | 横山 光彦 | 川崎医科大学 |
教育 | 芝﨑 謙作 | 川崎医科大学 |
教育 | 田中 俊昭 | 川崎医科大学附属川崎病院 |
教育 | 平田 あずみ | 岡山大学大学院 |
平成19年度
受賞部門 | 氏名 | 所属 |
国際 | 片岡 則之 | 川崎医療福祉大学 |
教育 | 茅野 功 | 川崎医療福祉大学 |
教育 | 前田 恵 | 川崎医科大学 |
教育 | 永坂 岳司 | 岡山大学大学院 |
平成18年度
受賞部門 | 氏名 | 所属 |
教育 | 宮地 禎幸 | 川崎医科大学 |
教育 | 眞部 紀明 | 川崎医科大学 |
教育 | 平林 葉子 | 川崎医科大学大学院 |
教育 | 前島 伸一郎 | 川崎医科大学附属川崎病院 |
平成17年度
受賞部門 | 氏名 | 所属 |
教育 | 渡辺 洋子 | 川崎医科大学 |
教育 | 寳迫 睦美 | 岡山大学大学院 |
教育 | 美藤 純弘 | 岡山大学大学院 |
教育 | 稲垣 幸代 | 岡山大学大学院 |
平成16年度
受賞部門 | 氏名 | 所属 |
教育 | 橋本 謙 | 川崎医科大学 |
国際 | 辻 修平 | 川崎医科大学 |
平成15年度
受賞部門 | 氏名 | 所属 |
教育 | 三浦 孝仁 | 岡山大学 |