受賞者寄稿文

川崎医科大学総合医療センター　六原 純子
（平成29年度　受賞者）

ELNE-Jコアカリキュラム看護師教育プログラム開催

　このたびは、平成29年度公益財団法人川崎医学・医療福祉学振興会地域連携・交流事業助成を賜り、誠にありがとうございました。選考委員会の先生方、ならびに関係者の方々に厚く御礼申し上げます。
　平成30年1月27日（土）、1月28日（日）の2日間にわたり、川崎医科大学総合医療センターにおいて、ELNEC-J（End-of-Life Nursing Education Consortium Japan）コアカリキュラム看護師教育プログラムを開催いたしました。知識・技術を学び、緩和ケアを必要とする人や、人生の最終段階にある患者と家族をサポートしていくために、岡山県内の看護師22名が受講されました。
　わが国では少子高齢化が進んで、今後本格的な「高齢・多死社会」を迎えます。国民の総死亡数が増加を続ける中、看護師は、人々のQuality of Life（QOL）を維持・向上させること、患者の尊厳ある人生の最期を支えるとともにその家族に安心を与えること、つまり“質の高いエンド・オブ・ライフ・ケアを提供する”という重要な役割を担っています。その役割を果たすため看護師には、患者のニーズに応じて適切なケアを提供できる知識・技術が不可欠です。
　本プログラムでは、痛みや症状マネジメント、意思決定を支えるためのコミュニケーションなど、10のモジュールの講義をはじめ、少人数によるケーススタディや、グループディスカッション、ロールプレイを通して、質の高いエンド・オブ・ライフ・ケアについて学びます。そして、研修の最後のモジュールでは、明日から質の高いエンド・オブ・ライフ・ケアを達成するために、受講者一人ひとりが臨床の中で果たす役割について考え、1年後の自分に向けて具体的に実践可能なレベルに落とし込んだ行動計画を立てておられました。プログラム終了後のアンケートでは、エンド・オブ・ライフ・ケアの重要性を91％の受講生が理解できたと回答され、86.4％の受講生が本プログラムの内容に満足されていました。今後も、質の高いエンド・オブ・ライフ・ケアを提供していくための取り組みを行っていきたいと考えております。
　最後になりましたが、本事業を開催するにあたり、ご協力いただいたみなさまに心よりお礼申し上げます。

［平成30年6月12日掲載］