TOP - 助成事業 - 受賞者寄稿文
岡山大学病院 小野 喜章
(令和3年度 受賞者)
この度は令和3年度 公益財団法人川崎医学・医療福祉学振興会教育研究助成を賜り、誠にありがとうございました。選考委員会の先生方および、関係者各位に深謝いたします。
口腔がんは、近年の治療法の進歩にかかわらず、その治療成績は大きく向上していません。その原因として、“発見の遅れ”や”既存腫瘍マーカーの感度の低さ”が挙げられます。また、口腔がんの治療方針としては外科切除が優先されますが、特に進行症例においては術後の様々な口腔機能障害や審美障害といった疾患特有の問題が生じることがよく知られており、一方で、再発がんや切除不能な進行がんでは放射線療法や化学療法に対し抵抗性をもつことも問題となっています。
私たちはこれらの解決には早期発見や悪性度判定といった口腔がんスクリーニングを容易かつ迅速に行える検査システムの開発が急務であると考え、その糸口を見つけるべく、簡便かつ低侵襲的に採取できる体液中のエクソソームを用いた口腔がん悪性化のリスクを判定しうるバイオマーカーおよび治療標的を確立する研究を行っています。
昨今、腫瘍微小環境における細胞が分泌するエクソソームに関する研究はいたるところで行われており、年々関連する研究内容での文献報告が急速に増えています。特に、腫瘍の進行や転移にエクソソーム内の特定の分子が関与する可能性について、タンパク質やマイクロRNA (miRNA)レベルでの探索やその機能解析が、世界各地で行われています。私たちの研究もその一環であり、腫瘍微小環境におけるエクソソームを介した悪性形質獲得メカニズムを解明するだけでなく、口腔がん治療のための画期的なバイオマーカー開発においても重要な意味を有していると考えています。さらに、これら一連の研究を通じて、口腔がんにおける新たな分子標的抗体医薬の開発もしくはエクソソーム自体を治療薬として応用する技術の開発に貢献することを期待しています。
最後に、公益財団法人川崎医学・医療福祉学振興会の皆様方に厚く御礼を申し上げますとともに、益々のご発展を心よりお祈り申し上げます。
[令和4年4月1日掲載]
平成24年度
受賞部門 | 氏名 | 所属 |
国際 | 小田桐 早苗 | 川崎医療福祉大学 |
教育 | 原 裕一 | 川崎医科大学 |
教育 | 長洲 一 | 川崎医科大学 |
教育 | 大植 祥弘 | 川崎医科大学 |
教育 | 李 順姫 | 川崎医科大学 |
教育 | 溝手 雄 | 岡山大学大学院 |
教育 | 藤野 雅広 | 川崎医療福祉大学 |
平成23年度
受賞部門 | 氏名 | 所属 |
教育 | 西村 広健 | 川崎医科大学 |
国際 | 清蔭 恵美 | 川崎医科大学 |
教育 | 山内 明 | 川崎医科大学 |
教育 | 俵本 和仁 | 川崎医科大学 |
地域 | 正木 久男 | 川崎医科大学 |
教育 | 青木 淳哉 | 川崎医科大学 |
地域 | 下屋 浩一郎 | 川崎医科大学 |
平成22年度
受賞部門 | 氏名 | 所属 |
教育 | 三好 智子 | 岡山大学病院 |
教育 | 小野 淳一 | 川崎医科大学 |
教育 | 岡本 威明 | 川崎医科大学 |
教育 | 矢作 綾野 | 川崎医科大学 |
教育 | 橋本 美香 | 川崎医療短期大学 |
平成21年度
受賞部門 | 氏名 | 所属 |
教育 | 脇本 敏裕 | 川崎医療福祉大学 |
教育 | 熊谷 直子 | 川崎医科大学 |
教育 | 三上 史哲 | 川崎医療福祉大学 |
教育 | 河井 まりこ | 岡山大学大学院 |
平成20年度
受賞部門 | 氏名 | 所属 |
教育 | 横山 光彦 | 川崎医科大学 |
教育 | 芝﨑 謙作 | 川崎医科大学 |
教育 | 田中 俊昭 | 川崎医科大学附属川崎病院 |
教育 | 平田 あずみ | 岡山大学大学院 |
平成19年度
受賞部門 | 氏名 | 所属 |
国際 | 片岡 則之 | 川崎医療福祉大学 |
教育 | 茅野 功 | 川崎医療福祉大学 |
教育 | 前田 恵 | 川崎医科大学 |
教育 | 永坂 岳司 | 岡山大学大学院 |
平成18年度
受賞部門 | 氏名 | 所属 |
教育 | 宮地 禎幸 | 川崎医科大学 |
教育 | 眞部 紀明 | 川崎医科大学 |
教育 | 平林 葉子 | 川崎医科大学大学院 |
教育 | 前島 伸一郎 | 川崎医科大学附属川崎病院 |
平成17年度
受賞部門 | 氏名 | 所属 |
教育 | 渡辺 洋子 | 川崎医科大学 |
教育 | 寳迫 睦美 | 岡山大学大学院 |
教育 | 美藤 純弘 | 岡山大学大学院 |
教育 | 稲垣 幸代 | 岡山大学大学院 |
平成16年度
受賞部門 | 氏名 | 所属 |
教育 | 橋本 謙 | 川崎医科大学 |
国際 | 辻 修平 | 川崎医科大学 |
平成15年度
受賞部門 | 氏名 | 所属 |
教育 | 三浦 孝仁 | 岡山大学 |