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川崎医科大学附属病院 仲光 勇輝
(令和7年度 受賞者)
この度は、令和7年度 川崎医学・医療福祉学振興会 教育研究助成を賜り、選考委員会の諸先生方ならびに関係者の皆様に心より御礼申し上げます。日頃よりご指導いただいている諸先生方、共同研究者の皆様のご支援に深く感謝申し上げます。
副腎静脈サンプリングは原発性アルドステロン症の診断において極めて重要な検査であり、とりわけ右副腎静脈の術前同定は手技の成否に直結します。しかし右副腎静脈は左側と比較して短く、下大静脈に近接して走行するため描出が困難であり、現在の臨床現場では造影CTが標準的に用いられています。一方で、造影CTはX線被ばくや造影剤使用といった課題を有しており、近年では非造影MRIによる副腎静脈同定への期待が高まっています。
本研究では、非造影MRIにおけるout-of-phase(OP)画像に着目し、スライス厚の違いが右副腎静脈の描出能に与える影響について検討しました。右副腎静脈を含む腹部MRIを施行した83例を対象に、OP3.5mmおよびOP1.0mmの2条件において、客観的指標としてroot mean square contrast-to-noise ratio(RMS CNR)を算出するとともに、2名の放射線科医による視覚評価を行い、観察者間一致度や統計解析を用いて両条件の差を多角的に評価しました。
その結果、右副腎静脈の同定率はいずれの条件でも約25%と低く、スライス厚の違いによる有意な差は認められませんでした。RMS CNRはOP3.5mmで高い傾向を示したものの、統計学的有意差には至りませんでした。一方で観察者間一致度はいずれの条件でも高値を示し、評価の再現性は良好であることが確認されました。描出不良の要因としては、下大静脈との近接による連続性の判別困難や、周囲脂肪の乏しさによるコントラスト低下などが挙げられました。
本研究により、スライス厚の調整のみでは右副腎静脈の描出能改善には不十分であることが明らかとなりました。今後は本研究で得られた知見を基盤として,スライス厚に限らず撮像条件全体を再検討し,右副腎静脈の描出能向上を目指したプロトコル最適化を進めていく予定です。さらに,描出困難例に共通する要因についても検討を重ね,MRIによる評価の臨床的実用性を高めることで,将来的な副腎静脈サンプリングの円滑化および手技支援につなげたいと考えております。最終的には,より低侵襲で安全な術前評価法の確立を通じて,診療の質向上に貢献できるよう,引き続き研究に邁進してまいります。
本助成により研究環境を整え,解析を進めることができましたことを,改めて深く感謝申し上げます。本成果は今後,院内プロトコルへの反映や学術発表,論文化を通じて広く共有していく予定です。末筆ではございますが,本研究の機会を与えくださいました椿原理事長をはじめとする貴財団関係者の皆様に,この場をお借りして厚く御礼申し上げるとともに,川崎医学・医療福祉学振興会のさらなるご発展を心よりお祈り申し上げます。
[令和8年4月1日掲載]
平成24年度
| 受賞部門 | 氏名 | 所属 |
| 国際 | 小田桐 早苗 | 川崎医療福祉大学 |
| 教育 | 原 裕一 | 川崎医科大学 |
| 教育 | 長洲 一 | 川崎医科大学 |
| 教育 | 大植 祥弘 | 川崎医科大学 |
| 教育 | 李 順姫 | 川崎医科大学 |
| 教育 | 溝手 雄 | 岡山大学大学院 |
| 教育 | 藤野 雅広 | 川崎医療福祉大学 |
平成23年度
| 受賞部門 | 氏名 | 所属 |
| 教育 | 西村 広健 | 川崎医科大学 |
| 国際 | 清蔭 恵美 | 川崎医科大学 |
| 教育 | 山内 明 | 川崎医科大学 |
| 教育 | 俵本 和仁 | 川崎医科大学 |
| 地域 | 正木 久男 | 川崎医科大学 |
| 教育 | 青木 淳哉 | 川崎医科大学 |
| 地域 | 下屋 浩一郎 | 川崎医科大学 |
平成22年度
| 受賞部門 | 氏名 | 所属 |
| 教育 | 三好 智子 | 岡山大学病院 |
| 教育 | 小野 淳一 | 川崎医科大学 |
| 教育 | 岡本 威明 | 川崎医科大学 |
| 教育 | 矢作 綾野 | 川崎医科大学 |
| 教育 | 橋本 美香 | 川崎医療短期大学 |
平成21年度
| 受賞部門 | 氏名 | 所属 |
| 教育 | 脇本 敏裕 | 川崎医療福祉大学 |
| 教育 | 熊谷 直子 | 川崎医科大学 |
| 教育 | 三上 史哲 | 川崎医療福祉大学 |
| 教育 | 河井 まりこ | 岡山大学大学院 |
平成20年度
| 受賞部門 | 氏名 | 所属 |
| 教育 | 横山 光彦 | 川崎医科大学 |
| 教育 | 芝﨑 謙作 | 川崎医科大学 |
| 教育 | 田中 俊昭 | 川崎医科大学附属川崎病院 |
| 教育 | 平田 あずみ | 岡山大学大学院 |
平成19年度
| 受賞部門 | 氏名 | 所属 |
| 国際 | 片岡 則之 | 川崎医療福祉大学 |
| 教育 | 茅野 功 | 川崎医療福祉大学 |
| 教育 | 前田 恵 | 川崎医科大学 |
| 教育 | 永坂 岳司 | 岡山大学大学院 |
平成18年度
| 受賞部門 | 氏名 | 所属 |
| 教育 | 宮地 禎幸 | 川崎医科大学 |
| 教育 | 眞部 紀明 | 川崎医科大学 |
| 教育 | 平林 葉子 | 川崎医科大学大学院 |
| 教育 | 前島 伸一郎 | 川崎医科大学附属川崎病院 |
平成17年度
| 受賞部門 | 氏名 | 所属 |
| 教育 | 渡辺 洋子 | 川崎医科大学 |
| 教育 | 寳迫 睦美 | 岡山大学大学院 |
| 教育 | 美藤 純弘 | 岡山大学大学院 |
| 教育 | 稲垣 幸代 | 岡山大学大学院 |
平成16年度
| 受賞部門 | 氏名 | 所属 |
| 教育 | 橋本 謙 | 川崎医科大学 |
| 国際 | 辻 修平 | 川崎医科大学 |
平成15年度
| 受賞部門 | 氏名 | 所属 |
| 教育 | 三浦 孝仁 | 岡山大学 |