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川崎医科大学 森 幸太郎
(令和元年度 受賞者)
この度は公益財団法人川崎医学・医療福祉学振興会教育研究助成を賜り、誠に有難うございました。選考委員会の先生方および、関係者の皆様に深く感謝申し上げます。
毎年11月下旬~3月頃にかけて流行する季節性インフルエンザは、高齢者を中心に多くの犠牲者を出します。発症可能性の低減と発症した場合の重症化防止のため、わが国では精製したインフルエンザウイルスを分解した後に、副反応の原因となる脂質膜成分を除去した安全性の高い不活化ワクチン(いわゆる「スプリットワクチン」)が製造・使用されていますが、その有効性が低いことがたびたび指摘されています。一方、生きたウイルスを接種するため、より有効性が高い「弱毒化生ワクチン(商品名:FluMist)」が使用されている国もあります。FluMistは、健常人の体温では増殖することができない「弱毒化変異」を導入することでその安全性を担保していますが、インフルエンザウイルスには生体内で増殖する際に自身のゲノムに高頻度に変異を起こすという性質があるため、「弱毒化変異」が解消される可能性、すなわち生ワクチン接種によってインフルエンザを発症してしまう可能性が否定できません。このため、FluMistは最もワクチンを必要とする乳幼児や高齢者、病気等で免疫不全がある人に対しては使用できないのが現状です。この問題を解決するには、ワクチン株に変異を生じさせない改良が必要です。
本研究では、実際に流行したインフルエンザ株と比較して変異を生じにくい株の単離に成功し、この「変異の生じにくい」性質を生ワクチン株に応用することで、現行の生ワクチン株において生じる危険性がある「弱毒化変異の解消」が生じなくなることを実証することができました。本研究成果は、病原性の復帰が生じない、より安全な生ワクチンの開発に応用できるものと考えております。
[令和2年8月1日掲載]
平成24年度
受賞部門 | 氏名 | 所属 |
国際 | 小田桐 早苗 | 川崎医療福祉大学 |
教育 | 原 裕一 | 川崎医科大学 |
教育 | 長洲 一 | 川崎医科大学 |
教育 | 大植 祥弘 | 川崎医科大学 |
教育 | 李 順姫 | 川崎医科大学 |
教育 | 溝手 雄 | 岡山大学大学院 |
教育 | 藤野 雅広 | 川崎医療福祉大学 |
平成23年度
受賞部門 | 氏名 | 所属 |
教育 | 西村 広健 | 川崎医科大学 |
国際 | 清蔭 恵美 | 川崎医科大学 |
教育 | 山内 明 | 川崎医科大学 |
教育 | 俵本 和仁 | 川崎医科大学 |
地域 | 正木 久男 | 川崎医科大学 |
教育 | 青木 淳哉 | 川崎医科大学 |
地域 | 下屋 浩一郎 | 川崎医科大学 |
平成22年度
受賞部門 | 氏名 | 所属 |
教育 | 三好 智子 | 岡山大学病院 |
教育 | 小野 淳一 | 川崎医科大学 |
教育 | 岡本 威明 | 川崎医科大学 |
教育 | 矢作 綾野 | 川崎医科大学 |
教育 | 橋本 美香 | 川崎医療短期大学 |
平成21年度
受賞部門 | 氏名 | 所属 |
教育 | 脇本 敏裕 | 川崎医療福祉大学 |
教育 | 熊谷 直子 | 川崎医科大学 |
教育 | 三上 史哲 | 川崎医療福祉大学 |
教育 | 河井 まりこ | 岡山大学大学院 |
平成20年度
受賞部門 | 氏名 | 所属 |
教育 | 横山 光彦 | 川崎医科大学 |
教育 | 芝﨑 謙作 | 川崎医科大学 |
教育 | 田中 俊昭 | 川崎医科大学附属川崎病院 |
教育 | 平田 あずみ | 岡山大学大学院 |
平成19年度
受賞部門 | 氏名 | 所属 |
国際 | 片岡 則之 | 川崎医療福祉大学 |
教育 | 茅野 功 | 川崎医療福祉大学 |
教育 | 前田 恵 | 川崎医科大学 |
教育 | 永坂 岳司 | 岡山大学大学院 |
平成18年度
受賞部門 | 氏名 | 所属 |
教育 | 宮地 禎幸 | 川崎医科大学 |
教育 | 眞部 紀明 | 川崎医科大学 |
教育 | 平林 葉子 | 川崎医科大学大学院 |
教育 | 前島 伸一郎 | 川崎医科大学附属川崎病院 |
平成17年度
受賞部門 | 氏名 | 所属 |
教育 | 渡辺 洋子 | 川崎医科大学 |
教育 | 寳迫 睦美 | 岡山大学大学院 |
教育 | 美藤 純弘 | 岡山大学大学院 |
教育 | 稲垣 幸代 | 岡山大学大学院 |
平成16年度
受賞部門 | 氏名 | 所属 |
教育 | 橋本 謙 | 川崎医科大学 |
国際 | 辻 修平 | 川崎医科大学 |
平成15年度
受賞部門 | 氏名 | 所属 |
教育 | 三浦 孝仁 | 岡山大学 |