受賞者寄稿文

川崎医科大学　山根 弘路
（令和3年度　受賞者）

第63回　日本呼吸器学会中国・四国地方会を振り返って

　この度は公益財団法人川崎医学・医療福祉学振興会地域連携・交流助成を賜り、誠にありがとうございました。選考委員会の先生方および、関係者の皆様に深謝いたします。
　今回我々は第63回日本呼吸器学会中国・四国地方会（学会長：瀧川奈義夫）を令和3年8月7日、8日の両日、岡山コンベンションセンターに於いて開催致しました。当時、新型コロナウイルス感染症　第５波が大変な猛威を振るっておりましたが、一刻も早くコロナウイルス肺炎のコントロールを行うためには、数多くの英知をリアルタイムに重ね、討議することが必須であろうとの判断で、現地とWebでのハイブリッド方式での開催としました。
　特に現地開催に際しては、感染拡大のリスクも考えられましたが、今こそリアルタイムの経験と知見をより早く、またより広く提供することが最も重要との見地から‘As I Live and Breathe! New Era of Respiratory Medicine’と大会理念を銘打ち、All Kawasakiで、呼吸器関連5教室の先生方の力をお借りし、数多くのセミナーや特別セッションを開催することができました。
　特に本大会の目玉として、大会2日目の午前中に「緊急企画：新型コロナウイルス感染症」のセミナーを行い、本学小児科学　中野貴司教授および前総合内科学1准教授（現関西医科大学第一内科教授）の宮下修行先生に、新型コロナウイルス管理の重要なポイントを詳細に解説していただきました。これには各方面の会員から多くの賞賛の言葉をいただいており、主催者として非常に誇らしく思っております。また現地には、呼吸器学会中国四国地区在住会員の概ね4分の1に当たる276名と多くの参加をいただいたにも関わらず、幸いにも、1名の新型コロナ感染症患者を出すことなく学会を完了できたことは、我々主催者にとって無上の喜びでもありました。本会で得られたエビデンスは直接臨床現場へ還元できるものであったことが、第5波の終息に一部貢献したものと考えております。最後になりましたが、川崎医学・医療福祉学振興会の方々より、本会開催にあたり、多大なるお力添えをいただきましたことに改めて深謝致しております。本当にありがとうございました。

［令和4年4月1日掲載］