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川崎医科大学附属病院 森分 良
(令和6年度 受賞者)
この度は、令和6年度 川崎医学・医療福祉学振興会 教育助成を賜り、選考委員会の諸先生方および関係者の皆様方に深く感謝申し上げます。
CT撮影は、医師が臨床上必要と判断した場合、撮影線量の制限はない。詳細な画像情報を提供してくれるものの、単純X線撮影の数十倍の放射線量を必要とする。このため、撮影範囲、撮像方法などへの個別配慮が要求される。国際放射線防護委員会(ICRP)Publication 118は、眼の水晶体が最も放射線感受性の高い組織の一つであり、最近のいくつかの研究では、放射線誘発性白内障の閾値が低いことが示唆されている。ICRPのALARAの原則に基づいて、放射線利用時には合理的に可能な限り低線量被ばくに抑える必要がある。小児においては成人よりも放射線に対する感受性が数倍高く、小児の平均余命は成人よりも長いため、さらに特別な注意を払うことが要求される。特に小児頭部CT検査は、臓器が小さく、画像コントラストが低下することを考慮して、高線量での検査を行うため、水晶体の放射線量には注意が必要である。
今回の研究では、CT検査において被ばく低減技術の一つである、低管電圧撮影を小児頭部CT検査のローカライザーX線撮影に使用し、従来用いられている管電圧120kVのローカライザーX線撮影に対して、画質を担保したままで、被ばく線量の低減が可能か評価することを目的とした。
現時点での結果として、ファントム実験にて管電圧120kVでのローカライザーX線撮影の撮影線量と比較し、管電圧80kVでのローカライザーX線撮影は75%撮影線量を低減できることが示唆された。また、臨床データにおいても解析を行い、ファントム実験同様に結果が得られた。今後、小児成人両ファントム水晶体部分にガラス線量計を貼り付け、撮影線量の実測値についても評価を行う予定である。
今回の教育研究助成により実験を実現させることが出来たことをあらためて感謝申し上げます。
この成果は、今後、当院撮影プロトコルへ再編成を行うとともに、英語論文化することで多くの方の参考にして頂ける可能性が期待され、今後ますます研究に邁進していく所存です。
末筆ではございますが、今回の機会を与えてくださいました椿原理事長をはじめとする貴財団の関係者の皆様方に、この場をお借りして厚く御礼を申し上げるとともに、貴財団のさらなる発展を心よりお祈り申し上げます。
[令和7年4月1日掲載]
平成24年度
受賞部門 | 氏名 | 所属 |
国際 | 小田桐 早苗 | 川崎医療福祉大学 |
教育 | 原 裕一 | 川崎医科大学 |
教育 | 長洲 一 | 川崎医科大学 |
教育 | 大植 祥弘 | 川崎医科大学 |
教育 | 李 順姫 | 川崎医科大学 |
教育 | 溝手 雄 | 岡山大学大学院 |
教育 | 藤野 雅広 | 川崎医療福祉大学 |
平成23年度
受賞部門 | 氏名 | 所属 |
教育 | 西村 広健 | 川崎医科大学 |
国際 | 清蔭 恵美 | 川崎医科大学 |
教育 | 山内 明 | 川崎医科大学 |
教育 | 俵本 和仁 | 川崎医科大学 |
地域 | 正木 久男 | 川崎医科大学 |
教育 | 青木 淳哉 | 川崎医科大学 |
地域 | 下屋 浩一郎 | 川崎医科大学 |
平成22年度
受賞部門 | 氏名 | 所属 |
教育 | 三好 智子 | 岡山大学病院 |
教育 | 小野 淳一 | 川崎医科大学 |
教育 | 岡本 威明 | 川崎医科大学 |
教育 | 矢作 綾野 | 川崎医科大学 |
教育 | 橋本 美香 | 川崎医療短期大学 |
平成21年度
受賞部門 | 氏名 | 所属 |
教育 | 脇本 敏裕 | 川崎医療福祉大学 |
教育 | 熊谷 直子 | 川崎医科大学 |
教育 | 三上 史哲 | 川崎医療福祉大学 |
教育 | 河井 まりこ | 岡山大学大学院 |
平成20年度
受賞部門 | 氏名 | 所属 |
教育 | 横山 光彦 | 川崎医科大学 |
教育 | 芝﨑 謙作 | 川崎医科大学 |
教育 | 田中 俊昭 | 川崎医科大学附属川崎病院 |
教育 | 平田 あずみ | 岡山大学大学院 |
平成19年度
受賞部門 | 氏名 | 所属 |
国際 | 片岡 則之 | 川崎医療福祉大学 |
教育 | 茅野 功 | 川崎医療福祉大学 |
教育 | 前田 恵 | 川崎医科大学 |
教育 | 永坂 岳司 | 岡山大学大学院 |
平成18年度
受賞部門 | 氏名 | 所属 |
教育 | 宮地 禎幸 | 川崎医科大学 |
教育 | 眞部 紀明 | 川崎医科大学 |
教育 | 平林 葉子 | 川崎医科大学大学院 |
教育 | 前島 伸一郎 | 川崎医科大学附属川崎病院 |
平成17年度
受賞部門 | 氏名 | 所属 |
教育 | 渡辺 洋子 | 川崎医科大学 |
教育 | 寳迫 睦美 | 岡山大学大学院 |
教育 | 美藤 純弘 | 岡山大学大学院 |
教育 | 稲垣 幸代 | 岡山大学大学院 |
平成16年度
受賞部門 | 氏名 | 所属 |
教育 | 橋本 謙 | 川崎医科大学 |
国際 | 辻 修平 | 川崎医科大学 |
平成15年度
受賞部門 | 氏名 | 所属 |
教育 | 三浦 孝仁 | 岡山大学 |